【のぼせ対策】更年期のホットフラッシュに効果的な治療法や薬は?

更年期にさしかかると、のぼせ、ほてり、発汗などの症状に苦しむ女性は多いようです。

季節をとわず、突然体がほてって大量の汗が出てきたり、突然赤面するなど、症状に戸惑いを隠せません。

なかには、外出したり、人前に出るのがおっくうになり、精神的にもストレスを感じる人がいるようです。

これらの症状は、ホットフラッシュとよばれ、更年期障害のなかでよくおこる症状のひとつです。

ホットフラッシュをなんとかしたい女性のための薬や、効果的な治療法をご紹介します。

ホットフラッシュってなに?

ホットフラッシュとは、突然のぼせたり、上半身から大量の汗をかいたり、顔が真っ赤になってしまう症状です。

特徴としては、徐々にこのような症状が出るというよりも、ある日突然、症状が出てびっくりすることが多いといわれています。

とくに上半身、顔や首筋、背中部分に汗をかきやすく、大量の汗に洋服がびしょびしょになってしまうこともあるようです。

また顔が熱くなったり、のぼせるのに、手足は冷えているという「冷えのぼせ」が起きることもあります。

いきなり自分の体が変化することに、戸惑い、悩んでしまいがちですが、まずは落ち付いて対処していきましょう。

ホットフラッシュは更年期障害のひとつ

更年期障害は、更年期の時期におきるさまざまな不調のことです。

更年期はだいたい45〜55歳の期間を指すことが多いのですが、最近は20代や30代の若い世代でも、ホットフラッシュが起こることがあり、その場合は若年性更年期かもしれません。

更年期の女性全員が、更年期障害になるわけではありませんが、7割以上の女性がなんらかの更年期症状をかかえているといわれています。

そんな更年期障害のなかで、もっとも多くの方が経験するのは、ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗)です。

ホットフラッシュの原因は血管の収縮をコントロールできていないから

ホットフラッシュは、自律神経が乱れて、血管の拡張や収縮がうまくコントロールできなくなったためにおこります。

自律神経の乱れは、加齢とともに卵巣機能が低下し、女性ホルモンであるエストロゲンが減少したことが原因です。

エストロゲンが減少すると、脳の視床下部はエストロゲンを出すように指令を出しますが、卵巣機能が低下しているので、じゅうぶんなエストロゲンを分泌できません。

すると脳の視床下部は、エストロゲンを出すように何度も指令を出しますが、エストロゲンは分泌されないので、脳は混乱してしまいます。

脳の視床下部は、血圧や体温調整などをおこなう血管運動神経である自律神経もコントロールしているので、脳の混乱は、自律神経を乱すことになるのです。

自律神経が乱れると、血管が正常に拡張したり収縮できなくて、いきなり赤面したり、のぼせるというホットフラッシュの症状がでるのです。

ホットフラッシュの対策は?

いきなりほてったり、暑くなったりというホットフラッシュの症状がでた場合は、どうすればよいのでしょうか。

冷たい飲みものを飲んだり、上着を脱いぐ、涼しい場所に移動するのもよい方法です。

上半身だけ暑くて、下半身は冷えるというケースもあるので、下半身は冷やさないように夏でもストッキングを履くなど工夫をし、カーディガンやストールなどで温度の調整をしやすくするとよいですね。

また、ワキの下に保冷剤を入れると、体温が下がりやすいため、暑いときはオススメです。

しかし、これらは根本的な解決ではありません。

ホットフラッシュは我慢しないことが大切

「いつか治まるだろう」と我慢をする方もいるようですが、つらい症状を我慢することは、抑うつ気分を引き起こしたり、精神的にもよくありません。

よくある症状なので自分ひとりで抱え込まず、早めに婦人科で相談しましょう。

適切な対処をすることで、症状を軽減できる可能性があるのです。

ホットフラッシュのせいで出かけるのがつらくなったり、人前が苦手になっている方は、しっかり対処することで、精神的にも前向きになれ、イキイキとした健康的な明るい毎日を取り戻せるかもしれません。

ホットフラッシュの治療は?

根本的に治療をするなら、婦人科に行きましょう。

婦人科でよくおこなわれる治療は、ホルモン補充療法(HRT)です。

ホルモン補充療法は、減少した女性ホルモンを補充する方法をいい、経口剤(飲み薬)のほかに、経皮剤(貼り薬や塗り薬)があります。

どの方法が適しているかは、医師と相談して決めていきましょう。

また、医師が更年期障害だと診断すれば、健康保険が適応されます。

ホルモン補充療法

ホルモン補充療法で使われるホルモン剤は、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の2種類です。

更年期に急激な減り方をするのは、エストロゲンなので、足りない部分を補充していくというイメージです。

しかし、エストロゲンだけを単体で補充した場合に、不正出血が起こったり、子宮体がんのリスクがあがるといわれていました。

リスクを予防するために、プロゲステロンと

ホルモン補充療法は、ホットフラッシュの症状を軽くしたり、イライラ、倦怠感、不眠、めまい、頭痛などの更年期障害の症状全般に効果があります。

ホットフラッシュに加えて、抑うつ状態など精神症状が強い場合は、抗うつ薬や抗不安薬があわせて処方されるケースがあります。

漢方薬による治療

ホルモン補充療法が適さない人は、漢方薬で治療します。

よく使われる漢方薬は、加味逍遥散(カミショウヨウサン)、当帰芍薬散(トウキシャクヤクサン)、桂枝茯苓丸(ケイシブクリョウガン)などです。

ホットフラッシュに効果のある市販薬3選

ホットフラッシュはあるものの、病院に行く暇がなかったり、悩みが深くない方は、市販薬を試してみるのもよいでしょう。

ホットフラッシュに効果があるといわれている薬を紹介します。

小林製薬 女性保健薬 命の母A(第二類医薬品)

700円(税抜)84錠
13種類の生薬、ビタミン、カルシウムなどが配合されている
体の血流を促進し、女性ホルモンと自律神経の乱れによりおこる体調不良を改善する

ツムラの女性薬 ラムールQ(指定第2類医薬品)

1700円(税抜)80錠
19種類の生薬と8種類のビタミンを配合している
ホルモンバランスの乱れによりおこる冷え性や更年期症状を改善する

全薬工業 エベナL(第2類医薬品)

3468円(税込)450錠
10種類の生薬を配合している
血液の流れをよくして、更年期障害によるほてり、肩こり、頭痛などの症状をやわらげる

薬のメリットとデメリット

減少しているエストロゲンを補充することで、更年期障害の症状が改善される他、コレステロール値を下げたり、骨粗しょう症を予防する、肌のハリや潤いがよみがえるというメリットがあります。

デメリットとしては、副作用があることです。

一般的な副作用として、吐き気、乳房が張る、不正出血などがあります。

また、乳がんのリスクが高まるとされています。

エストロゲンだけを長期に投与すると、子宮体がんのリスクが高まるので、ホルモン補充療法の治療が長引く場合は、プロゲステロンもあわせて投与する方法があるようです。

治療法は個人によって異なりますので、詳しくは、副作用リスクとあわせて婦人科の医師とよく相談してください。

また、ホルモン補充療法をおこなっている間は、定期的に乳がんと子宮がんの検査を受けることが望ましいです。

抗うつ剤や抗不安薬の副作用としては、眠気、頭痛、口の乾きなどがあります。

漢方薬には強い副作用がないかわりに、効き目に即効性はありません。

どんな薬であれ、作用と副作用を持ち合わせています。

使い方さえ間違わなければ、薬のメリットは大きく、デメリットを最小限にできます。

医師の指示通りに使用すれば、怖いものではありません。

気をつけたいこと

めまい、動悸、発汗、頭痛など、更年期障害と同じような症状が出る疾患として、高血圧、甲状腺の病気、メニエール病、脳神経の疾患などがあります。

自分で更年期障害だと決めつけると、重大な病気がかくれている可能性があります。

更年期は体の節目でもあるので、一度は病院で、血液検査や全身状態をチェックしてもらうことをおすすめします。

更年期障害は漢方が有効!女性にも男性にも効く治療は体質改善?

倦怠感・冷え・発汗・イライラ・精神不安定などは、誰の身にも起こりうる更年期の辛い症状の一部です。

最近では、更年期の症状を改善する策として、治療の一環に、漢方を取り入れている病院も増えてきています。

崩れた体のバランスを戻すことで、体全体を整え、それによって更年期のさまざまな症状を改善するのが漢方の考え方。

ここでは、なぜ漢方が更年期障害に有効なのか、理由や、オススメの漢方薬について詳しくみていきましょう。

崩れたバランスを整える漢方が、更年期障害に効く!?

閉経の前後約10年間におよぶ更年期は、エストロゲンをはじめとする女性ホルモンのバランスが崩れるために、不定愁訴とよばれるさまざまな症状がおこりやすくなっています。

不定愁訴とは、明確な問題がないのに、心身におこる不調のことです。

不定愁訴の症状を改善するには、体全体のバランスを整える漢方が得意といえます。

症状ごとに対症療法を行う西洋医学と違い、体全体の状態を総合的に診断し、崩れたバランスを取り戻そうとするのが漢方医学なのです。

漢方は、ホルモンバランスの急激な変化によって崩れた体の、バランスを調整し、症状を緩和していきます。

どんな人に漢方治療は向いているの?

更年期障害といっても、症状は人それぞれで、軽症の人から重症の人までさまざまです。

日常生活にも支障をきたすような、重度な症状の改善には、不足するホルモンを補充する治療方法がよく取られます。

しかし、人工的にホルモンを補充することにためらいを感じる方や、副作用が気になる方、疾患履歴からホルモン治療を受けることができない方もいます。

そのような人の治療として、最近では、病院でも漢方が処方されるようになりました。

また、軽度な症状の方は、生活の改善や、漢方による体質改善で、多くの症状は緩和を期待できます。

漢方と西洋医学はどう違うの?

西洋医学というのは、今ある症状を改善する対症療法が中心になります。

発汗があれば、発汗を抑える薬、精神的不安定には抗不安剤、頭痛には頭痛薬、ホルモンの分泌不足には、ホルモン補充治療といった具合です。

いっぽう漢方医学では、心身の不調は、体のバランスが崩れることからおこると考えるので、崩れたバランスを元に戻すことが治療の中心になります。

個々に体質と体調に合わせて処方される漢方薬

漢方薬はひとりひとり、患者さんの体質やそのときの調子に合わせて、処方されます。

その点が、現れている症状に対して処方される西洋医学の薬と大きく異なる点です。

例えば、同じ頭痛でも、その原因が血行不良によるものか、水分不足によるものなのか原因はさまざまです。

漢方では、個々の原因と体質に適したものが処方されます。

そして、頭痛の根本原因となっている、体のバランスが乱れていたのを整えることで、手足の冷えや顔のほてりなど、ほかの症状も一緒に改善されるケースもあるのです。

漢方は、体のバランスの崩れている部分に作用し、もともとの健康な体質へ戻すことをします。

そのため、さまざまな症状が根本的に改善されるのです。

男性の更年期障害にも効く?

最近、社会的にも認知されてきた男性の更年期障害にも、漢方は有効です。

女性の更年期障害と同じように、男性更年期障害のもっとも大きな原因は、ホルモンの分泌量の変化により体のバランスが崩れることにあります。

ホルモンバランスの変化は、自律神経の乱れをひきおこし、性的機能の低下だけでなく、やる気がおこらない、疲れが取れない、うつ状態が続くなど精神的な症状も現れるのです。

このような男性の更年期障害の症状にも、体のバランスを整える漢方薬は使われます。

漢方の基本的な考え方

漢方医学においては、体を構成する3つの要素である、気・血・水がバランスを崩すことでさまざまな心身の不調を招くと考えられています。

また漢方では、体質によって、処方される薬は違ってくるため、症状と体質の両方からの診断が必要になってきます。

体を構成する3つの要素

では、体を構成する要素を、漢方の視点でみていきましょう。

気とは、人が活動する上で欠かせない目に見えないエネルギーで、元気、気力、生命力などを指します。

頭痛、のぼせ、めまい、イライラなどは、気の流れが逆流ことでおこると考えられているのです。

また、気の流れが滞ったり、気が不足することでも、疲労感や体のだるさなどさまざまな不調が現れます。

血とは、文字通り、血液および血流のことを指します。

血流が滞ると、手足の冷えや、肩こり、頭痛といった症状をひきおこすのです。

また、血が不足すると、不眠や抜け毛などの症状がでます。

水とは、血以外の体内にある水分を指します。

リンパ液などが、水にあたります。

水は体にはなくてはならないもので、体のさまざまな部分に必要に応じて存在しています。

しかし、ある特定の部分に偏って必要以上に水が留まると、むくみなどの症状をおこします。

大きくふたつに分けられる体質

漢方薬の処方は、たとえ現れている症状が同じであっても、それぞれの患者さんの体質によって変わってきます。

体質に適した薬でないと、体のバランスを整えることができないからです。

体質の分類には、さまざまな方法がありますが、ここでは基本となる「証」の考えで、体力や抵抗力を表す「虚」と「実」についてみてみましょう。

虚証

  • 体力がなく、疲れやすいタイプの人

胃腸が弱い虚弱タイプの人などは、虚証になります。

一般的に、痩せ型で冷えに弱く、皮膚は青白く、下痢になりやすく、静かな人が多い傾向です。

慢性的な症状のため、病気になっても急激な症状が起こるのではなく、比較的穏やかな方が多いといわれています。

実証

  • 体力があって、疲れにくいタイプの人。

一般的にがっしりとした体格で、どちらかといえば赤ら顔、便秘になりやすく、活発な人が多い傾向にあります。

一見、強そうに見えますが、病気になると急激に悪化することもよくみられます。

自分で疲れを感じにくいぶん、無理をしすぎて体を壊すこともあるので、適度な休息を取ることが必要です。

虚実混合証

虚証と実証、両方の特徴を混合して持っている人を、虚実混合証といいます。

今、虚証だったとしても、一生同じというわけではありません。

出産や更年期のタイミングで、実証の人が虚証になったり、仕事や環境の変化で虚実混合証になるケースもあります。

自分の「今」をみつめて、適切な対応が必要といえるでしょう。

3つの要素と証で、対処方法は決まる

更年期の女性や男性の体においては、「気・血・水」のバランスが崩れたり、流れが滞ったりしがちです。

しかし、「気・血・水」のどこに、どのように(逆流か、停滞か、不足か)問題があるかで、処方される漢方薬は変わってきます。

また、虚証か、実証か、虚実混合証なのかによっても、対処方法は変わるのです。

漢方では、その人の体質をみながら、その人本来のバランスを整えるため「これさえ飲めばOK」というわけではありません。

なお、更年期の女性にみられる「気・血・水」の乱れの代表的なものには、以下のようなものがあります。

瘀血(おけつ)

血の流れが滞っている状態です。

頭痛や肩こりという症状が現れます。

虚血(きょけつ)

血液が不足している状態です。

めまい、耳鳴り、無気力、集中力の低下、睡眠障害などが現れます。

気逆(きぎゃく)

気の流れが逆流している状態です。

のぼせ、ほてり、動悸、頭痛などの症状が現れます。

症状別、おすすめの漢方薬

診察して病名を確定し、その病気に対して治療を行うのが西洋医学です。

いっぽう漢方は、ひとりひとりの体質や体調、バランスの崩れている部分を見極めた治療が行われます。

漢方薬の種類は、何百とあるのですが、そのなかから、とくに更年期特有の症状緩和のために処方される代表的な漢方薬を紹介しましょう。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

虚証タイプで、足の冷え、貧血、疲れやすい、めまい、肩こりの症状がある人向けです。

瘀血(おけつ)を改善するために使用します。

血のめぐりをよくするため、更年期障害だけでなく、女性疾患の治療によく使われる漢方薬です。

加味逍遙散(かみしょうようさん)

虚実混合証タイプで、イライラなどの精神的症状、ホットフラッシュ、頭痛、肩こりの症状がある人向けです。

女性の更年期障害に、よく処方される代表的な漢方のひとつですね。

桂枝茯苓丸(けいしふくりょうがん)

虚実混合証タイプ〜実証タイプで、足は冷えるのに、のぼせやほてりという症状のある人向けです。

血の巡りが滞っている瘀血(おけつ)状態を、改善します。

皮膚炎の改善にも作用し、吹き出物やシミのケアとしても使われています。

桃核承気湯(とうかくじょうきとう)

実証タイプで、便秘がちで、足は冷えるのにのぼせる人向け。

気逆(きぎゃく)をともなった瘀血(おけつ)を改善する漢方です。

肩こり、めまい、腰痛の改善のためにも使われます。

抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)

虚証タイプで、胃腸虚弱な人のための怒りやイライラを抑えるための漢方です。

抑肝散(よくかんさん)とは、高ぶる「肝」を抑えるための漢方で、それにより、怒りやイライラを軽減させます。

もともとは、子どもの疳の虫のための漢方でした。

温清飲(うんせいいん)

虚実混合証タイプで、肌がカサつき、顔色が悪く、のぼせがあり、精神不安や苛立ちを抱えている人向けです。

過多月経などの月経困難や月経痛、生理不順にもよく使用されます。

男性の更年期障害向け漢方薬

八味地黄丸(はちみじおうがん)

虚証〜虚実混合証タイプで、手足のひえ、足腰の疲れ、頻尿などの症状がある人向けです。

加齢による気、血、水が不足した状態を改善し、体を温めることで体のバランスを整えます。

副腎、膀胱、生殖器の働きをよくする漢方として、中年以降の更年期の症状の緩和によく用いられます。

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

虚実混合証〜実証タイプで、神経過敏、高血圧に伴う不眠や動悸、イライラといった症状がある方向けです。

滞っている気を巡らせ、体にこもってしまった熱を冷ます作用があります。

また心を落ち着かせる働きもあり、脳の興奮からひきおこされる不眠にも働きます。

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)

虚証タイプで、胃腸が弱く、ストレスに弱く、疲れやすい人向け。

気力や食欲の低下、慢性的な疲労感など、気の不足からおこる症状を緩和します。

胃腸の働きを高めることで、内側から気を増やし、気を全体に巡らせることで、疲労回復を促します。

漢方にも副作用はある?

漢方薬は、自然由来のもので作られているため、副作用がないと考えている人も多いかもしれません。

しかし、それは間違いです。

漢方薬も医薬品であり、間違った服用は、副作用につながります。

その人の「証」と症状に合ったものが、処方されなければ、効果が上がらないばかりか、副作用をおこすこともあるのです。
また、摂取量や、摂取する期間にも注意が必要。

最初は、医師や漢方医の診断を受け、処方してもらうのが安心です。

薬によっては、服用期間中、定期的に血液検査などを受ける必要があるものもあります。

病院と漢方薬局、どちらがいい?

最近では、更年期障害の治療として、漢方を導入している病院も増えています。

そのような病院と漢方医や漢方専門薬局とでは、どちらを選べばいいのでしょうか?

病院で漢方を処方してもらうメリット

病院で漢方を処方してもらうことのメリットは、保険が適用されることです。

また、数値として明確に結果がわかるような検査は、西洋医学の得意分野です。

検査の数値を元に、西洋医学と漢方の両方からのアプローチが取られます。

ただし、病院で保険適用内で処方される漢方は、種類が限られているというデメリットもあります。

漢方医や漢方専門薬局で診てもらうメリット

漢方医や漢方専門薬局では、より専門的に漢方医学の観点から、その人の体質に合った漢方薬を処方することができます。

また、漢方薬の処方のみならず、体質に合わせた食生活についてや生活習慣の改善のアドバイスをもらえます。

ただし、保険を使えないというデメリットがあります。

根本的に体質を整えて、更年期を乗り切ろう

漢方は、体の崩れたバランスを整え、その人本来の体質に戻してあげることで、更年期のさまざまな辛い症状の緩和をサポートするものです。

女性はもちろん、男性の更年期の治療のひとつして、最近では、病院でも処方されることが増えてきました。

ドラッグストアでも、簡単に入手できるものもありますが、本来、漢方は、患者さんの体力や、体質、バランスの崩れの原因に合わせて処方されるもの。

間違った薬を選ぶと、効果が現れないばかりか、副作用を引き起こす心配もあります。
最初は、保険が適用される医師の診断を受けて処方してもらうのが安心です。

保険は適用されませんが、漢方の効果を得たい人には、漢方医や漢方専門薬局に相談するとよいでしょう。

漢方は対症療法とは違い、体全体のバランスを整え、根本的に体質を改善してくれます。

誰しも、加齢による、体力の低下や体の機能低下は避けられないものですが、体のバランスを整えることで、更年期の症状をある程度軽減することは可能です。

根本的に体質を整えることで、更年期をできるだけ明るく、楽しく乗り切っていきましょう。

男性更年期は男性ホルモンの低下が原因?症状や対策まとめ

40~50代男性によくみられる症状に
「集中力が落ちた」
「筋力の低下を感じる」
「性欲が減退気味」

というものがあります。

「歳のせいだろう」と思って、そのままなにも対処しない人が多いようです。

また「最近落ち込みがちだから、うつなのかな」と心の疲れを感じることも。

これらは、もしかすると、男性更年期の症状があらわれているのかもしれません。

そこで近年、男性によくみられる男性の更年期障害ともいえる「LOH症候群」の症状や対策をまとめてみました。

もしかしてその症状は、男性更年期障害かも?


「疲れているのにぐっすり眠れない」
「EDで悩んでいる」
「筋肉の痛みを感じる」
「集中力が続かない」

このような悩みを抱えていませんか?

もしかしたら、それらの症状は、男性更年期障害の兆候かもしれません。

男性の更年期障害チェックリスト

気になる人は、以下の項目をチェックしてみてください。

【男性更年期障害チェックリスト】

  • 筋肉や関節が痛む
  • 大量の汗がでる
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 集中力が続かない
  • 体が重い
  • 理由もなくイライラする
  • 気分が晴れない
  • やる気がおこらない
  • ヒゲの伸びが悪い
  • 性欲が低下した
  • 朝立ちしなくなった

もし、上記のような症状に2個以上思い当たる節があれば、あなたは男性更年期障害の可能性が高いといえます。

男性の更年期障害の原因は?

かつては、更年期障害は女性特有の症状と考えられていましたが、実は、男性にも更年期障害があるということが、近年になってやっと認められるようになりました。

2007年、日本泌尿器科学会と日本メンズヘルス学会は、更年期の男性特有の症状に対し「加齢男性性腺機能低下症候群」いわゆる「LOH症候群」という表現を採用。

男性の更年期障害は、医学的にも認知され、さまざまな治療も確立されつつあります。

いったい男性の更年期障害は、いつからなるのでしょうか。

一般的には、40~50代の男性にLOH症候群になる方が多いようです。
しかし、30代男性でも更年期症状が出ることもあるため、油断はできません。

では、なぜ女性ではなく、男性が更年期障害になるのか、原因をみていきましょう。

男性ホルモンの減少が大きく関係している

男性が男らしくあるのは、男性ホルモンであるテストステロンの働きによります。

テストステロンは、ヒゲや体毛を生やし、筋肉質の体を作り、性欲を高め、挑戦意欲を高めるという、男性が、男性らしくあるためには欠かせないホルモンです。

思春期の少年が急に男性っぽくなるのは、その時期にテストステロンの分泌が急激に増えるからです。

その後、テストステロンの分泌は20代にピークを迎え、30代以降は、緩やかに下降線を描きながら減少していきます。

テストステロンが減少すると、性欲の減退、身体機能の低下、意気消沈、睡眠障害など、さまざまな心身の不調を招きます。

テストステロンの減少が原因で引き起こされる、男性のこれらの症状が、男性更年期障害「LOH症候群」と呼ばれるものです。

男性ホルモン、テストステロンとは?

男性ホルモンであるテストステロンは、男性に多く分泌されるホルモンで、その大半は精巣(睾丸)で作られます。
女性でも卵巣や副腎でテストステロンは作られますが、その量は男性に比べるとかなり少なくなります。

テストステロンはさまざまな作用がありますが、その作用のひとつは筋肉や骨をつくるのに大きく関わっています。

また、性に関する作用においては、テストステロンは、異性を惹きつけるフェロモンを発生させたり、興奮作用のあるドパーミンを増やす働きもあります。

勃起と大きく関係する一酸化窒素とも深い関わりがあるため、テストステロンの減少は性欲減退、勃起不全に繋がります。

さらに、心における作用としては、テストステロンは、悲しみや恐怖の記憶に蓋をする作用、眠りを深める作用、ストレスを軽減する作用があります。

テストステロンが減少する理由は?

テストステロンは、20代をピークに加齢と共に減少していくのが普通です。

しかしなかには、60代になっても40代とほぼ変わらない、テストステロン量を維持している人もいます。
そのいっぽうで、30~50代にして、平均以上にテストステロンの分泌量が減少する人もいます。

加齢以外に、テストストロンの分泌に、大きく影響を与えるものはストレスです。
強いストレスは男性ホルモンの分泌を抑制することがわかっています。

バランスの取れていない食生活や睡眠不足、多量の飲酒や喫煙など、生活習慣の乱れも、テストストロンの分泌を減少させます。

なかでも40~50代中高年の男性は社会的にも責任が重く、ストレスをためやすい年齢でもあります。
そのために60代以降よりも、テストストロンの分泌が減少する、という現象がおこっているのです。

また、うつ病やパーキンソン病、人工透析などによってもテストステロンが減少することが報告されています。

男性の更年期障害「LOH症候群」の症状

男性なら誰もが同じように、症状を訴えるわけではありません。

日常生活に支障をきたすような人もいれば、大した変化を感じないまま壮年期を迎える人もいます。

「LOH症候群」の症状を大きく分けると、身体的・精神的・性的な症状の3つに分けられます。

ここでは、どのような症状があるのかを詳しくみていきましょう。

「LOH症候群」の身体的な症状

筋肉や骨を作る働きをするテストステロンが減少すると、筋肉がおち、疲労感も増します。

それ以外にも身体のあちこちに以下のような症状が現れるのです。

【テストステロンが減少して現れる症状】

  • 筋力が弱くなったと感じる
  • ちょっと歩くと足が痛くなる
  • 階段を上るのがしんどくなった
  • 背中全体に痛みを感じることがある
  • ちょっとした運動でも息がきれる
  • 長時間椅子に座っていられない
  • 寝ている間の寝汗がすごい
  • 暑くなくても汗をよくかく
  • 体にほてりを感じることがある
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする
  • 頻繁に頭痛がする
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 昼間でも強い睡魔に襲われることがある
  • なかなか寝付けない
  • 健康診断でメタボと指摘された
  • 動悸や息切れがする
  • 吐き気がある
  • ヒゲの伸びが悪い

「LOH症候群」の精神的な症状

テストステロンの減少は身体だけでなく、心にも大きな影響を及ぼします。

「うつ病だと思っていたら、じつは、更年期障害だった」とケースもよくあるのです。

  • イライラすることが増えた
  • パニックに陥ることがある
  • なんとなく不安を感じる
  • 憂鬱な気分が続く
  • 最近笑っていないと思う
  • やる気が起きない
  • 今まで好きだった趣味も億劫に感じる
  • 集中力が低下したと感じる
  • 決断するのが難しくなった
  • 記憶力が低下した
  • 食べる量が極端に減った
  • 急に食欲が増加した

「LOH症候群」の性的な症状

男性ホルモンであるテストステロンは、性欲とも強く関係しています。

そのため分泌量が減ると、以下のような症状が現れます。

  • 朝立ちしなくなる
  • 勃起しない
  • 勃起を維持できる時間が短くなった
  • 性欲がわかない

これらの症状は、なんとなく放置してしまいがちですが、しっかり対策をとっていきましょう。

「LOH症候群」の治療や対策はテストステロンを増やすこと

男性更年期障害「LOH症候群」だとしても、初期段階の軽度な症状だと、日常生活に大きな支障をきたすことはないかもしれません。

しかしそのまま放置すると、性的な問題だけでなく、うつ病を併発し、会社に通えなくなるなど大きな問題に発展する可能性があります。

また「LOH症候群」の男性は、メタボリックシンドロームや糖尿病、動脈硬化、心筋梗塞のリスクが高まるともいわれています。

そのため「LOH症候群」であるかもしれないと疑われる場合は、しっかりとした対処が必要になってきます。

「LOH症候群」のもっとも有効な対策は、男性ホルモンであるテストステロンを増やすことにつきます。

では具体的に、どのような治療方法や、対策方法があるのかをみていきましょう。

泌尿器科・男性更年期外来での治療

「LOH症候群」は、病院での治療ができます。

受診する科は、泌尿器科か男性更年期の専門外来です。

男性専用の更年期に特化したクリニックのなかには、保険適用外の病院もあるので、最初は泌尿器科を受診するとよいでしょう。

テストステロン値を測定し、検査結果に適した治療を提案してくれます。

治療内容によって、メンズ専用クリニックを選ぶのもよいですね。

つぎに、どのような治療法があるかをみていきましょう。

ホルモン補充治療

「LOH症候群」の大きな原因は、男性ホルモンが減少することといえます。

そこで、不足する男性ホルモンを外から補う方法が、ホルモン補充治療といわれるものです。

治療内容は、約2週間ごとに男性ホルモンを筋肉注射で注入する方法や、男性ホルモン軟膏を1日に1~2回陰嚢の皮膚に塗り込む方法があります。

どの方法が自分にあっているかは、医師に相談しましょう。

ホルモン補充治療の副作用

ホルモン補充治療によって「LOH症候群」独特の症状が緩和する人もいますが、全ての人に同じ効果があるとは限りません。

なかには、副作用を訴える人もいるようです。

ホルモン補充治療の副作用は、心血管系疾患、前立腺疾患、多血症、脂質代謝異常などが挙げられます。

そのため、ホルモン補充治療を受ける場合は、定期的に病院に通い、十分に経過をみながら医師とよく相談する必要があります。

漢方薬治療

感染症など原因がはっきり特定できる病気と違って、「LOH症候群」の場合、心身のバランスを取り戻すことが、もっとも適したの治療になるケースも多々みられます。

そのような場合は、漢方薬を処方することが最近増えているようです。

漢方は、東洋医学の考え方で、心身の陰陽バランスを整えていく治療法です

「LOH症候群」のための漢方薬といっても、ひとくちにみんな同じではありません。

症状や原因に個人差があるため、処方される薬はさまざまです。

医師や薬剤師と相談の上で、服用しましょう。

心療内科での治療

ストレスは、テストステロンの分泌を減少させる大きな要因のひとつです。

40~50代の男性は、日々さまざな問題とストレスで溢れています。

子供の反抗や親の介護、妻との関係の変化など、家庭内でも多くの問題を抱えやすいのが40~50代といえるでしょう。

会社でも管理職なるなどで、地位が上がることで責任が増えたり、リストラの問題で心身を病んでしまったりすることで、多くの問題を抱えてしまいやすい年代です。

これらの問題が大きなストレスとなって、自律神経や、ホルモンのバランスを大きく乱してしまうことはよくあります。

そこで、ストレスを軽減することで、ホルモンのバランスを正常に戻せる可能性が高いのです。

自分で解消できるレベルのストレスを超えているような場合は、心療内科でのカウンセリングによって、症状が緩和するケースもあります。

見えている症状にフォーカスしても、根本的なストレスの原因や、うつ状態が解消されない限り、また同じような症状が出てくるものです。

ストレスによるうつ症状が大きな原因になっている「LOH症候群」の場合は、心療内科の受診が有効になるケースも多いので、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

市販薬はどう?

テストステロンを増やす方法として、市販薬を摂取する方法がないわけではありません。

しかし、男性の更年期障害の薬には副作用もありますので、服用には十分な注意が必要です。

また、自分の症状に適したものを選ぶのは素人判断では難しいこともあり、可能であれば、医師に相談し、病院で処方してもらうのがよいでしょう。

自分でテストステロンを増やすための、具体的な対処方法を以下で紹介します。

生活習慣の改善

一般的に、テストステロンは加齢と共に、自然に少なくなっていくものです。

しかし40~50代の「LOH症候群」の場合は、加齢による減少以上に、ストレスや生活習慣の乱れが影響していることが多いといわれています。

男性更年期障害を乗り切るために、まずはライフスタイルを改善することに取り組んでみましょう。

1:食生活の改善

不規則だったり偏った食事は、自律神経を乱れさせて、ホルモンのバランスを崩す原因になります。

仕事が忙しい男性の場合、外食が増え、食事の内容が偏りやすくなりがちです。

規則正しく3度の食事を取ると同時に、不足しがちなビタミンやミネラル、食物繊維を十分に摂取できるように心がけましょう。

また、性ホルモンの合成をサポートする働きのある亜鉛を、意識して摂取するのもよいでしょう。

亜鉛は、牡蠣、うなぎ、牛のもも肉、チーズ、レバー、卵黄、納豆、豆腐、そば、ごま、抹茶、アーモンドなどに多く含まれています。

サプリメントに頼ってもOK

食生活を見直したくても、どうにもならないというケースはあります。

「食生活を見直す」ということが、大きなストレスになってしまってはつらいものです。

そこで、サプリメントに頼ってもよいのだと、知っておきましょう。

基本的な栄養は食事から摂取したほうがよいのですが、サプリメントで栄養を補助することで、栄養の質を改善できることもあります。

2:適度な運動

適度な運動は、筋肉の低下や肥満を防ぐのに効果的といえるでしょう。

軽いウォーキングや水泳、ジョギングなどの有酸素運動がおすすめです。

普段なかなか運動する時間が作れないという方は、エレベーターを使わずに階段を上り下りするだけでも、随分と違ってくるはずです。

ウォーキングなどの有酸素運動は、男性ホルモンの分泌を増加させるという研究報告も出ています。

趣味がゴルフや山歩きという方は、運動不足の解消と同時に気分をリフレッシュできます。

3:禁煙、お酒を控える

喫煙者の方は、「LOH症候群」にかかる割合が高くなるという傾向があります。

タバコを吸わない人と比較してみると、1日11~20本吸う人は約1.5倍、21本以上では1.65倍と、タバコの本数が多い人ほどEDのリスクが高くなります。

引用:ファイザー製薬 すぐ禁煙.jp

喫煙は、男性の更年期障害を引き起こす要因のひとつだけでなく、さまざまな体の機能障害を引き起こす可能性があるものです。

喫煙者にとっては、ハードルが高いかもしれませんが、健康を考えると、できれば禁煙することをオススメします。

また、飲酒も少量のアルコールであればとくに問題はありませんが、度を超える飲酒は体にとっては負担になるのです。

お酒を飲みすぎることは、「LOH症候群」を悪化させる要因にもなり、糖尿病や、心血管疾患のリスクを高めるので、なるべく控えたいものですね。

飲むなら、ビール1本程度にしておくとよいでしょう。

4:自分なりのリラックス方法をもつ

ホルモンの分泌は、脳にある視床下部から命令されます。

視床下部はホルモンだけでなく、体を維持する自律神経のバランスを保つ働きをしているので、自律神経のバランスが崩れると、芋づる式にホルモンのバランスも崩れやすくなるのです。

自律神経は、生活習慣の乱れやストレスによって、正常に機能しなくなります。

日々、なるべくストレスを溜め込まないことが大切です。

好きな音楽を聞いたり、趣味のカメラ撮影を楽しんだり、休日は家族でキャンプに出かけたり、自分なりのリラックス方法をもつことがストレスコントロールに役立ちます。

もう、更年期障害は怖くない

大人な男性の、原因がわからない不眠や、倦怠感や無気力・性欲減退・EDは、男性の更年期障害である「LOH症候群」であることが多いようです。

更年期障害の原因は、男性ホルモン、テストステロンの減少にあります。

男性ホルモンが減ってしまう理由は、ストレスや生活習慣の乱れなど人によりさまざまですが、原因に適した対処方法を取ることで、症状を軽減できます。

「年齢のせい」と放置することで、症状を悪化させることもあるので、早めに対策をうちましょう。

気になる症状があって悩んでいるのであれば、専門家泌尿器科や男性更年期外来で診断してもらってはいかがでしょうか。

ご自身の「LOH症候群」の原因を知り、正しい対処方法を取ることで、再び活力溢れる生活を取り戻しましょう。